トラムマガジン

創刊にあたって - 病院のスリッパ –

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子供だった頃、
病院では靴を脱ぎ、スリッパを履いた記憶があります。

スリッパ越しに感じた、病院の床の感触。
夏でも冬でもひんやりしていました。

子供心に、普段の生活とは違う世界の入口を、
足の裏で、理解していた気がします。

そして、診察を受け、薬を待つまでの長い時間。
病院の看護婦のおばさんは、
気付いたらちゃんと名前を覚えてくれていました。

今、病院は靴を履いたままになり、
薬は病院とは別の場所で、
効率よく、購入するようになりました。

とても便利です。

しかし、今になって思うと、
子供の時、病院のスリッパ越しに感じた冷たさから、
とても大事なものを教わっていた気がします。

かけがいのない感覚は、
何気ない場所で、息をひそめている。
そんな気がしてなりません。

そして、今回創刊するTramというWEBマガジンでは、
見過ごしてしまうけれど、すっと心に残る、
病院のスリッパのような存在に注目していきます。

それが、日々の小さな変化や楽しさを味わうスローライフへの、
読者の方へのヒントになることができれば、と思います。

 

 

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安部邦治 (kuniharu abe)
webマガジン『tram』編集長。都電が大好きでNY留学中に制作した映画「Response」は、都電の映画。公益財団 川喜多記念映画文化財団で勤務の後、現在は某ストックフォト会社の海外アーカイブ担当。趣味は囲碁、登山、週末を利用したパワースポット巡り。
安部邦治 (kuniharu abe)

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